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寺生まれのTさん7

※順番わからんちん

じいちゃんとばあちゃんに見送られながら、バイクで家に帰りながら寺生まれってすげえとそんなことを思った

7.
親父の実家は自宅から車で二時間弱くらいのところにある。
農家なんだけど、何かそういった雰囲気が好きで、
高校になってバイクに乗るようになると、
夏休みとか冬休みなんかにはよく一人で遊びに行ってた。
じいちゃんとばあちゃんも「よく来てくれた」と喜んで迎えてくれたしね。

でも、最後に行ったのが高校三年にあがる直前だから、
もう十年以上も行っていないことになる。
決して「行かなかった」んじゃなくて「行けなかった」んだけど、
その訳はこんなことだ。

春休みに入ったばかりのこと、
いい天気に誘われてじいちゃんの家にバイクで行った。
まだ寒かったけど、広縁はぽかぽかと気持ちよく、
そこでしばらく寛いでいた。
そうしたら、

「ぽぽ、ぽぽっぽ、ぽ、ぽっ…」

と変な音が聞こえてきた。
機械的な音じゃなくて、人が発してるような感じがした。
それも濁音とも半濁音とも、どちらにも取れるような感じだった。

何だろうと思っていると、庭の生垣の上に帽子があるのを見つけた。
生垣の上に置いてあったわけじゃない。
帽子はそのまま横に移動し、垣根の切れ目まで来ると、
一人女性が見えた。
まあ、帽子はその女性が被っていたわけだ。
女性は白っぽいワンピースを着ていた。

でも生垣の高さは二メートルくらいある。
その生垣から頭を出せるってどれだけ背の高い女なんだ…
驚いていると、女はまた移動して視界から消えた。
帽子も消えていた。
また、いつのまにか「ぽぽぽ」という音も無くなっていた。

そのときは、もともと背が高い女が超厚底のブーツを履いていたか、
踵の高い靴を履いた背の高い男が女装したかくらいにしか思わなかった。

その後、居間でお茶を飲みながら、
じいちゃんとばあちゃんにさっきのことを話した。
「さっき、大きな女を見たよ。男が女装してたのかなあ」
と言っても「へぇ~」くらいしか言わなかったけど、
「垣根より背が高かった。帽子を被っていて『ぽぽぽ』とか変な声出してたし」
と言ったとたん、二人の動きが止ったんだよね。
いや、本当にぴたりと止った。

その後、「いつ見た」「どこで見た」「垣根よりどのくらい高かった」
と、じいちゃんが怒ったような顔で質問を浴びせてきた。
じいちゃんの気迫に押されながらもそれに答えると、
急に黙り込んで廊下にある電話まで行き、どこかに電話をかけだした。
引き戸が閉じられていたため、
何を話しているのかは良く分からなかった。
ばあちゃんは心なしか震えているように見えた。

じいちゃんは電話を終えたのか、戻ってくると、
「今日は泊まっていけ。いや、今日は帰すわけには行かなくなった」と言った。
――何かとんでもなく悪いことをしてしまったんだろうか。
と必死に考えたが、何も思い当たらない。
あの女だって、自分から見に行ったわけじゃなく、あちらから現れたわけだし。

そして、「ばあさん、後頼む。俺はKさんを迎えに行って来る」
と言い残し、軽トラックでどこかに出かけて行った。

ばあちゃんに恐る恐る尋ねてみると、
「八尺様に魅入られてしまったようだよ。Tさんが何とかしてくれる。何
にも心配しなくていいから」

そのうち、じいちゃんが一人の男を連れて戻ってきた
「もう私が来たからには大丈夫だ」
Tさんはそう言うと、空に向けて手を伸ばすと「破ァ!」と叫んだ
途端にTさんの手から青白い光が現れ、村全体に広がっていった
眩しい光に反射的に目をつぶった瞬間、「ぼぼぼ・・・」というかすかな悲鳴のような声を聞いた気がした

結局、よくわからないままに終わったが、それでも助かったことだけはわかった
じいちゃんとばあちゃんに見送られながら、バイクで家に帰りながら寺生まれってすげえとそんなことを思った

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プロフィール

おばけ

Author:おばけ
実話とか創作とか関係なく読み物として面白い怪談が好きです。
当ブログは気に入った怪談を集め好きな怪談の話になった時等に紹介したり、久しぶりに見たくなったけどタイトル覚えてないだとか、紹介される際どんな話をすでに知っているかを伝える等々用。
その辺のまとめサイトやブログなどから引っ張ってくるものばかりです。

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